腰痛と聞くと「椎間板ヘルニア」と思っている方が、当院のお客様にも少なくありません。ヘルニアは、その名の通り椎間板の中身が外壁を破って突き出したもの。突き出した先にある中枢神経を直撃するため、激痛を引き起こします。
外科手術によってヘルニアを切り取ることは、直接、神経への刺激物を取り去ることになり、劇的な効果をもたらすことは想像に難くありませんが、再発するという話も、しばしば耳にします。なぜでしょうか?
ここに、腰痛の本当の原因が隠れているように思われます。
椎間板は非常に弾力に飛んだ組織で、背骨が折れるほどの衝撃がかかってもピンピンしているほどです。また、24対ある背骨の間からは、中枢神経から枝分かれした神経が、身体各部に伸びています。背骨を前後左右に曲げても神経が圧迫されないのは、椎間板のクッションのおかげです。
しかし、これは背骨にゆがみがなく、椎間板が均等に圧迫されているからこそ!背骨が右や左にゆがんでいると、ゆがみの内側が常に強い圧迫を受け、これに疲労や寝不足が重なると、さしもの椎間板もつぶれ始め、次第に背骨の隙間が狭まってきます。
神経に触れるようになれば重さやだるさを感じ、圧迫されるようになれば痛みを感じ、さらに進めば痺れや麻痺に進行していくでしょう。外壁が破れてしまう椎間板ヘルニアは、末期的症状と考えられます。
一度つぶれた椎間板は、元に戻らないのでしょうか?
そんなことはありません。筋肉の無用な緊張を取り、歪みを直して椎間板ができるスペースを作ってやれば、爪や髪が伸びるのと同じように、椎間板も元通りに回復します。
逆に言えば、ヘルニアを切り取っても再発するのは、根本的な原因になっている身体の歪みを取っていないため、椎間板の圧迫が均等にならないからと考えられます。
身体がゆがんでいる方は、立っているだけで腰痛を悪化させていることになりますから、なるべく早くゆがみを取ることが肝心です。