仰向けに寝てもらい、バンザイするように両手を上げると
右手の方が、左手より約1cm5mm長くなっています。
首の骨をなぞると付け根から左に倒れ
真ん中あたりで右に曲がって「く」の字になっています。
2~3年前から始まった肩こりが酷くなり
最近は、夜もよく眠れません。
肩の痛みと連動するように頭痛も起きるので
受験勉強もはかどりません。
初回の施術で、「突き出し」が「膨らみ」程度になりましたが
立って動いていると再発するということで3日後に2回目。
その2週間後に来られたときは、時々硬くなり痛むものの
突き出し方は、やや小さくなってきました。
では、痛みの相談室では何をするのか???
腸は柔らかいので、上から押しても変形するだけです。
挿絵の左側を体の上方とすると
陥没した部分より上側で、腸を左に引っ張ってやれば
穴から抜けてきそうです。
手術の一般的な方法を調べてみると
要するに、腸が落ち込んでいる筋膜の穴を
メッシュというナイロンの網で塞ぐということで
典型的な「対症療法」であることが分かります。
腸はおへその辺りから下腹部にかけて
お腹の中でとぐろを巻いているわけですが
「鼠径ヘルニア」の名前が示すとおり
腸の下の方で起きるという特徴があります。
つまり、腸がお腹の底で筋膜に押し付けられ続けたために
弱っていた筋膜が耐え切れず
突き出してしまったと考えるのが自然です。